老いのひとこと

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我が人生で一度たりとも大鉈を振るうような大それた場面には巡り合うことはなかったのだが事此処に至ってようやくそれが訪れた。


農業実習生として何んとか定着し仕事が慣れてきた其の矢先に今日は農園主やっさんから竹杭つくりを手伝ってくれと頼まれる。


自分の竹林から間伐材を持って来たので真っ二つに両断し先を尖らし杭にしてほしいという。


待ってました、願ってもないお言葉と早速飛びついた。


一刀両断とまではゆかないまでも一鉈両断を試みるが其処はなかなかそうはゆかない。


今からでも遅くはない、竹を割ったようなサッパリした人格を目指して試みるがなかなかそうは容易くはない。


不慣れもあるし第一素材が太すぎる、直径が四寸を超えれば名刀三五郎も刃が立たない。


木槌との両刀遣いとなる、サッパリ感は半減するがそれでも節間の真空が炸裂し小気味好い。


かぐや姫でも現われまいかとマジに思う。


先端を鋭角に尖らすには此れこそ大鉈を振るわねばなるまい。


これぞお手の物、鉈は間違いなしに引き切りの部類に入ろうぞ。


刃筋正しく打突部位を物打ち部分で斬り下ろさねばなりません。


腕力には在らずして鉈の重力を活かして手の内を利かさねばなりません。


図らずも、戦時中の竹槍戦法のことを思い返していた。


難しいが面白い、炎天下小一時間精を出した。


人生初体験、貴重な修行に汗した次第です。