老いのひとこと

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金曜は居合の日、週に一度は抜かねばなるまい。


我が道場は広い体育館の片隅、颯爽と独り抜くは掛け替えなきわが心の修行の場でもある。


一本目、血振りの動作から体を起こさんとした折に突然左腰に激痛が走った。


ややーしまったと思ったがもう時すでに遅かった。


痛めた左足首を庇う余りに腰に負担を掛けていたのだろう。


辛うじて立つ余力が在ったので騙し賺しながら一応最後まで抜いて早々に切り上げた。


爺様が爺様のような格好でそろりそろり腰を庇いながら道場を後にしたのです。


処が帰ってみれば弟がわざわざ沢庵用の大根を三十数本も届けてくれていたではないか。


泥を水道水で流し落とし二本づつ結わえて


干し物竿へ吊るす仕事が待っていた。


痛みに耐えながらも極端にスローモーな動作で作業をすすめ家内の手助けもあって漸く仕事を終えた。


有無を言わさずに近くの銭湯へ直行し「じっこう湯」と云う川芎( せんきゅう)根の薬用湯に傷ついた体を沈めた。


血行促進剤の効能抜群で奇跡的に痛みは一夜にして和らいだではないか。


山麓鄙びた白山里温泉をつい思い出した。


嘗て戦乱に明け暮れる鳥越一向一揆の動乱期に鳥越山之内衆たちが温泉の湯に癒され


暫し一時の鋭気を養ったことを思い返した。


銭湯の湯であれ天然温泉さながらの効能に


驚くと同時に認識を今新たに致した次第なのです。


川芎根よセンキュー、さんきゅうべりまっち大助かりです。