老いのひとこと

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正月早々しみったれた話しでしょう。
辛うじて原形を保ちはするが如何にも朽ち果てた古びた椀です。
戌年ワン公に因んだ話ではないのだが普通の感覚の持ち主ならお目出度き正月を機に真新しい椀に取り換えて然るべきなのに此の偏屈者はどうしたことか未だに拘泥する。
古きいにしえの物に益々愛着心がいや増すと云うから困ったものだ。
上渕まで齧ったわけではないがいびつに変形している。
高台とて融け失せて高台の役目を果たしてはいない。
でも器の機能はちゃんと果たしており決して汁は漏れたりはしない。
年季の入った肌は木目が浮き立つように年輪を刻みこんでいるではないか。
だから此のけやき椀は手放し難いのです。
此のわたし斷捨離には向いていないのです。