斷捨離を思い留まった判断を了と致すべし。
40年ほど昔に大活躍した大型スノーダンプは頑強なるスチール製でド豪く重い。
重いばかりか随所に錆が来て動いて呉れない。
動かぬダンプこそ無用の長物だったが捨て去る決断をためらったまま放置した。
それが結果的に大正解、固形ワックスをふんだんに塗り手繰れば見事甦ったではないか。
1メートル近くの吹き溜まり箇所を一機に掻っ攫って投げ捨てる。
幸運にも拙宅の脇には小河川が流れる。
すくっては投げ、投げては掬ってダンプを押す。
何と言っても生身の人間ましてや老いぼれには長続きしない。
それこそ青息吐息のさま腰を擦りながらの難行苦行、おのれがおのれを虐げる。
まるで落武者のように鉛の足を引き摺って、やがて限界を悟ってサジを投げる。
午前2時間弱午後2時間足らずが限度、ダンプを投げて投了する。