老いのひとこと

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高校時代に机を並べた友がとうとう病床に伏してしまった。


目を開けわたしを見て軽く頷いてくれたが会話はどうしても成り立ち得なかった。


極めて寂しく虚しい限り、残念至極だ。


一年前に見舞った折には面談室で結構軽口を叩いた其の友がまさか斯くも重篤に陥っているとは知らなかった。


一年以上も音信不通のままにしたわたしの怠慢が今悔やまれる。


小出のお万頭は用を足さなかった。


加賀産業道路の萌えいずる新緑の美しさや残雪に輝く白山連峰の雄姿の話しは語る術がなくどうしても口に出せなかった。


そんなことがどうして出来ようことか。


寄り添うことの意味合いを考えさせられた。


ただ持参した「徒然草」を手にして目線を注いでくれたことが無性にうれしかった。


長居は無用と又来ることを告げてその日はお暇させていただいた。