老いのひとこと

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夏休みに入ったので我が町会にもラジオ体操の会場が設けられた。


わざわざ隣町まで足を運ぶまでもなく近所で事足りましょう。


例年になく今年は盛況のようだ、二十人以上の顔ぶれだがお近所付き合いの苦手には知らぬ方ばかりに覗える。


後方の離れた箇所を居場所と定め子どもらと一緒にオイッチニオイッチニと精を出す。


次の日にも参れば坊―やが一人わたしに近付き朝の挨拶と共に一枚の紙片を手渡してくれるではないか。


出席カードでした。


利発な子だね。


嬉しかったね、「ボクにも呉れるの、どうもアリガトウ」といただいた。


「でも此のボクチンはハンコは要らないよ、恥ずかしいので要らないよ」と云えば坊やは頷いてくれた。


ハンコは要らないけど必ず行くよとおのれに言い聞かせた。