老いのひとこと

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墓石を切断する巨大な丸ノコ、直径2メートルもあろうダイヤモンドカッターが回転する。


同時に散水機が作動し撒き上がる粉煙や飛び散る火花は掻き消される。


見る見るうちにわが寿陵の底部が仕上がってゆく。


わが終活の一端が殊の外順調にはかどるではないか。


 


薄緑色の滑らかな岩肌がわたしの真上にやさしく伸し掛かるように覆い被さるが重圧感も圧迫感も束縛感も何も感じない。


彼の世はどうも無重力の空間らしい。


呼吸をする必要がないので無論窒息間も何も感じない。


地獄の果てにしては随分と居心地がいいところに来たものだ。


 よからぬ白昼夢をみる。