老いのひとこと

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秋口から程よく雨の日が続き背戸の草たちは大喜び自由奔放に繁茂する。


雑草園と割り切ってしまえば然程の苦にもなりはしないのだが家内にすればそうとはいかない。


事あるごとに催促交えた苦情が頻りに飛んでくる。


畑の草むしりは放置すれば作物が草の中に隠れてしまうので止むを得ないが背戸ならば何ら失うものがない。


それにしても隣近所の外聞が悪いので遂に決断を為す。


幸い甥っ子に援軍を頼めば快諾してくれた。


処がちゃかちゃかとは行かない、7時から3時まで実働7時間に及ぶ大仕事で甥っ子のお手伝いに年寄りが二人終日駆けずり回った。


剪定ゴミの処理に追いまくられた。


体力消耗著しく足腰立たぬくらい疲労困憊したが日曜稽古を断念する口実とはしたくなかった。


非心を挫いて勇猛心を駆り立て面を被って来た。


不思議なものだ面紐をぱんぱんと弾いて締め付ければくたくたの身が蘇えってくる。


全身全霊を尽くすに意義ありと心して若衆たちに懸っていた。


面紐を解き吹き出す快汗と共に云うに云われぬ快感を味わった。