老いのひとこと

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おのれの事を棚に上げて直ぐに他人様の所為にする。
「せごどん」のドラマをテレビにくっ付いて見ながら出演者にもっと発声練習をしなさいと文句を云ってみたり、坊さんのお説教とかいろんな講演会でも最っと歯切れの良い口調でものをしゃべったらどうなんだと腹の中で思ってみたり此れはわたしの悪い癖であり至らぬ人間の証に他ならない。
ひょっとして耳が悪いのなら医者に診て貰おうと耳鼻科へ参れば薄暗い円筒形のカプセル様の中に20分間も閉じ込められて四方八方から聴力を試された。
して検査データーを見て先生は「タカハシさん、此れは病気ではありません。」
「だから治りません」
と先ず釘をさしてから此れは齢相応の症状で100点満点なら彼方は60点から70点の間ぐらいですよととても判り易い診断を下さった。
そして、補聴器の業者さんを紹介するので相談して見なさいと云われる。
翌日参れば耳の中に差し込まれるが自分の呼吸音までキャチし違和感著しい限りだ。
親から授かった此の五体に異物を嵌め込む行為は宜しからんと判断し体よくお断り申した。
ちなみにお値段をうかがえば四五万から舶来品はウン百万圓とこればかりは見事に聴き取れ此れは敵わぬと尻尾を巻いて退散することに決めました。