老いのひとこと

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此の夏の暑さに魂消て暫し遠ざかると云うより猛暑を口実にさぼり続けていた。
涼しくなった機を捉え何日振りかで備中物を振ってみる。
大きく振って切先が鋭く走るように何度も繰り返し試してみる。
腰が据わり重心が下りくすし指と小指を締めた柔らかい手の内を何度の何度も確かめる。
刃筋正しく刃音に耳澄ます。
刃音鳴かずば鳴くまで待とうと気長に繰り返せばそれでよし。
尤も聴力のみならず体力握力、筋力気力共々衰退の兆しは火をみるより明らかなり。
誰も見るものなし評するもなし黙々と自分で自分を試して見ただけの話しなのです。
敢えて申さば天上の彼方から閻魔さまがそおっと見下ろして下さるお姿を無意識的に意識するのです。