老いのひとこと

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無断掲載




今回ほど虚しい悲哀感を味わったことがない。


五木寛之氏のお話を伺おうと傍聴室のテレビモニターの真ん前に陣取り拝聴したのだが無惨な結果に終わった。


大きな失意を抱いたまま会場を後にした。


昭和7年生まれの氏は姿勢正しく実に矍鑠と為される。


並はずれた思索家思想家で能弁家、氏のお話の節々で唸らされる。


凡そ70分間直立不動のまま時折紙面に目を落とされるものの腹の底からのお声がつづいた。


わたしはそれを一言一句聞き漏らすまいぞと耳を傍立てるのだが駄目でした。


悲しいかな駄目でした。


モニター受信機の性能を云々しても始まらない兎に角音は聞こえるが意味が解からない此方の聴聞力の性能が極端に落ちてしまったことに気付かされた。


何時も同じショックの受けっ放し、もう慣れっこになったとは言え腹の虫が治まらない。


腹の虫を静めるために鶴来迄走って「ーー」と発散してみたのだが本日はことごとく不完全燃焼に終わった。