老いのひとこと

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然程の降雪もないのに屋根の重みで障子戸が開かない。


湿っぽい時節を迎え家自体が重苦しくうな垂れてしまった。


二間の鴨居が災いしたらしく他は今のところ大丈夫そうだ。


蝋を塗り手繰るが一向に動こうとはしないどころかとうとうびくともしなくなってしまった。


木槌を持ち出す事態に此れではアカンと表具屋さんに泣き付いてしまった。


年の暮れにも拘らず即刻七つ道具ご持参で駆けつけてくださったではないか。


自動車のジャッキーに長い角柱を噛まし鴨居をじわりじわりと押し上げる。


其処は蛇の道は蛇、手慣れた手付きで手加減しいとも簡単に取り外し桟の部分に鋸を入れたり鉋で削ったり瞬く間に仕上がったではないか。


職人さんの見事な技を見せ付けられました。


辞退されたが僅かばかりの手間賃で勘弁願った。


此れで歳越しが出来そうだ。


孫らを迎えられそうだ。