老いのひとこと

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宗玄生原酒をちびりちびりと愛でながらの楽しかるべき夕餉の最中に突然何の前触れなく前歯が脱落した。


箸を運んだはずもないのに大きな異物が口中に現れたと思った刹那にわれ一生の不覚を悟った。


其のショックは大きかった。


大事なチャームポイントを失ったも同然、歯抜けジジイをイメージした。


5本連結の差し歯が抜ければ二目と見れないもの凄い形相ではないか。


ただ巧いことに痛くもかゆくもないし幸い出血もない。


次の日、あわよくば復元しまいかと恐るおそる掛かり付け医の門をたたく。


先生は基盤の破壊状態をパントモ撮影とパノラマ撮影で確認し


何んとか行けそうだといとも簡単にセメントで固めて再装着してくださったではないか。


此れまさに案ずるより産むが易しの言葉通りだった。


此れ程、歯医者さんの有り難味を実感したことはない。


 


ただ一本釘を刺されたようだ。先生は「次なる失敗は解かっていますね、麻酔の注射ですぞ」と確か云われたはずだ。