老いのひとこと①

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       無断掲載

 

似非(えせ)ものと本ものの違いがはっきりした。

わたしには津田本家の事はもはや関わりたくない、ナンセンスで其処には三文の値打ちすら見い出せないと決めつけていた。

そんなわたしの元へ一本のメールが入った。

他でもないFUNADAさんからだった。「十之進は和三郎の嫡子ではなく実は養子でだった」、たったそれだけの内容ではあるが実に重みのある一報であった。

彼は「史実を明らかにする」、其の信念を貫く人物でした。

わたしのような似非者ではない、立派な一介の史家なのです。

幾ら軽微なことでも決して疎かにはしない。

小さな真実の積み重ねこそが歴史を抉り出す、其の執念をまざまざと見せつけられた。

わたしは感動し同時に感謝した、そして何時の間にか目覚めてしまった。

津田家の事を再び掘り返す切っ掛けとなってしまった。

 

 

和三郎こと半山は少しばかり自嘲気味におのれ自身を半茶翁と名付けたのでしょうか。

半山は養子十之進の為に200石を財産分与したという。

此の十之進は間もなくして突然拉致若しくは恰も失踪したかのように此の世から忽然と姿を眩ませた。

謎に包まれた此の人物の素性を詳らかにせぬまま姿を消してしまった。

次いで此の半山こと和三郎の元へ津田近三なる人物が養子として迎え入れられる。

輪を掛けて此の近三も大きな謎に包まれる

人物なのである。

十之進と近三と云う未開の厄介者を抱え込んでしまったのです。