ふてぶてしくしかも無頓着である反面至って気が小さく神経質だ。
折角、若苗を植え付け畝を築いたのに茄子たちが伸び伸びと根を張り巡らす領域が少なかろうと再びスコップの刃を踏み込み掘り返す。
案の定、耕運機の恩恵に被ってはいない未墾の大地の固まりに出くわすのだ。
渾身の力を籠めて大きな土塊をスコップの背で打ち砕く。
たかが一畝とは言えやはりシンドイ、エライこっちゃエライこっちゃとおのれの愚を嘆きながらも老骨に鞭打つ。
農のド素人が農の基本は「土づくり」なりと豪そうなことを語っても実に片腹痛しだ。
両の側面に手を入れ若苗の成長に気遣いを示した。
これでやっと安堵し得心した。