老いのひとこと

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何んと云う秋日和の好い日なんだろう。

ほぼ一回りし馬替の集落の古い家並みをあの光太郎の「秋に祈る」を口ずさみながら往く。

すると其処にシッポを振ることを既に忘れ去った少々不愛想なポチの家に出くわす。

いつも其の玄関先にあの有名な上杉鷹山を彷彿とさせるような石灯篭が出迎えてくれる。

気が朦朧とした所為かもしれないが石灯篭が上杉鷹山に見えて仕方がないのだ。 

愈々そういうことに成りましましたか耄碌適齢期の真っ只中なら仕方があるまい。

あの「為せば成る為さねばならぬ何事も」の名言の主に恭しく頭を下げれば勘違いされそうなのでほんの軽い会釈に止めるのです。

天寿全うのために為さねばならぬことに只ひたすら夢中になって取り組むのです。

高橋川の欄干から川面を見下ろす。

五六寸に成長した地アユの群れがひねもす踊り狂う、水中に銀鱗が光る。

よく見れば番いの金魚がアユやハヤに混じって悠然と泳ぐ。

恐らくは孫たちが城谷川に放流した金魚が生き延びたに違いない。

デジカメに収めた筈だが取り逃がしたようだ。

写ってはいなかった。