老いのひとこと

f:id:takaotm1101101:20210323065812j:plain

スズメのお宿の近くの三色ポールが今日は止まっている。

月曜ならバーバー84の休業日です。

近付けば玄関先に先代のマスターらしき人物がわたしを待ち受けるかのように佇んでいる。

すれ違いざまに其の老好爺は人擦れした慣れ慣れさでわたしに言葉を掛けてこられた。

でも時候の挨拶ではなくわたしの耳には「どちらさん」ですかと聞こえた。

答えない訳には行かぬので、かと言って名前を語るのも可笑しいと我が家の在り処を知らせようとするが先方さんは何かしら怪訝そうだ。

やはりそうかとわたしは耳を押さえてジェスチャーすれが此の好々爺はニコッと笑いわたしの肩に手を宛がい「ごくろうさん」「ご苦労さん」と声を張り上げられるのです。

年寄りが喘ぎ喘ぎ杖を突いて歩くので励ましの労い言葉「ごくろうさん」が投げ掛けられたのを「どちらさん」と聞き違えた次第なのです。

此れも笑えぬ笑い話になる。

 

やはり散髪屋さんは昔取った杵柄からして対人マナーが卓越して良好で円満なのです。