老いのひとこと

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少々痛いのを我慢してやわやわとあるく。


チャリよりあるいてしごいた方が効果が在りそうだがひょっとして逆効果かも知れない。


それでも凡そ3キロの道のりを杖を頼りにあるく。


尤も杖は携えるだけにしてなるべく突かずに虚勢を張りたがる、キザな奴だ。


丁度中間点辺りに焼肉の「たかちゃん」があり、鶴来線電車の踏切を慎重に渡る。


そこにまるで待ち構えていたように同じ年恰好の御方が待ち伏せされていた。


人の好さそうな満面の笑みを湛える好々爺に映る。


面識なきその御方は「良いお天気ですね」と随分馴れ馴れしくわたしに話し掛けられる。


あたかも百年の知己であるかのように人懐っこくわたしをじっと見詰めて語られる。


「いきなり曇って降り出すことはあるまい」と昨日の話をしながら「今日は大丈夫ですよ」と屈託なく笑われる。


「今日はいいお天気で何よりです」


「気を付けて歩くまっし」と外でもない此のわたしを気遣っての励ましの言葉だったのです。


何のことはない当の御本人さんもわたし同様とぼとぼよたよたと歩みを執られていたではないか。


同病相哀れむの同情を図らずも戴いたことに相成りましょう。


喜んでいいものか何とも複雑な気持ちにさせられました。