何時ものコースの裏小路にゴミ集積所がある。
一般ごみに雑じって古い垂木の切れ端を束ねて捨ててある。
横目で流し見しながら畑の支柱を支える杭にでも使えれば良いなあと思いつつも正か担いで持ち帰るわけにも行かず放置した。
其の翌日も何時もの道順を辿れば其の木片がぽつねんと残されているではないか。
黄色の張り紙は収集物に該当しなかった証しであろう。
わたしは其の時「よし〆た」と直感した。
急いでコースを一巡し早速クルマを駆って現地に赴き獲物を仕留めてしまったのです。
「何んと浅はかにして破廉恥な事を」との良心の呵責は無きにしも非ずだが其れを諸共せずにちゃっかり失敬してしもうた。
廃物を有効に利用するに何の咎めがあろうことよと開き直ってしもうた。
吾輩も落ちぶれてしもうたものだ。
齢を取り過ぎたが今更どう仕様もない。