老いのひとこと


イメージ 1



三月晦日の早朝に一番孫は出立した。
その門出を祝福するかのように明けやらぬ夜空に祝砲が轟いた。
春到来を告げる春雷が三発地表を揺るがせた。
凄まじい雷神の神通力が地上に振り撒かれた。
孫たちにも等分された其の霊力が降り注がれたに違いはない。
 
床に伏したわたしは其の瞬間にそう思った。
此れ天佑なり、ああ良かったと思った。
 
と同時に古き詩の断片「男児こころざしを立てて・・・を出れば・・・死すとも帰らず」此のフレーズが脳裏をはしる。
ところが虫食いばかりで後がつづかない。
直ぐに寝床から飛び出て検索いたせば幕末の僧月性が詠んだ「人間到る処青山在り」であるを知り再び床に伏した。
 
孫へのはなむけの言葉として此の詩をメールした。
孫は大阪ではなく神戸に向かってマイカーを駆って出立した。
「気楽にいつでも帰って来いよ」と付け足した。
 
いやー万物が一斉に動き出したぞー