老いのひとこと

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ぱそこんの不具合と重なるようにもう一つ厄介事を抱え込んでしまった。

此処三日間通じるものが通じない状態がつづいた。

幾ら力んでも息んでみても出ないものは出ない。

とうとう切痔と云おうか脱腸と云おうか肛門がやたら痛い。

時折、激しい便意を催すが余りの痛さに息むことすら出来ない。

思い切ってわが手で絞り出すように糞掴みを試みるが頑な相手はビクともしない。

三日目はもう極限に達し気朦朧として生きた心地更になし。

自ずと足は主治医先生の身元へ縋りつく。

肛門より器物を差し込み確かに詰まってますね、浣腸と下剤を処方すので試してみなさいとお言葉を頂戴。

それでもダメなら午後にもう一度来院しなさい、わたしがしっかり処置して上げますよと優しく諭してくださった。

幼児の頃はともかく事浣腸は未経験、一人では危険が伴うので第三者に頼みなさいと云う。

勿論、家内しかいない。

浣腸液を加熱し装置を調整して家内は施して呉れた。

効果はてきめんで即刻その兆候が現われ慌ててトイレへ走るが不甲斐なくも粗相を仕出かしてしまう。

仕舞ったと思った瞬間に下着は元より廊下や畳の上にも垂れ流しの醜態を演じてしまった。

一生の不覚を家内は厭うことなく始末して呉れた。

有り難き事、感謝いたさねばならない。

此の一件は家内のお蔭で目出度く落着しました。

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