2022-07-30 老いのひとこと 此の娑婆には小面憎い奴は山ほどいるが同じ人間同士なら無視するなり蔑視するなりして何んとかケリがつくだろうが事此の物言わぬヤブカラシことビンボウカズラにはほどほど手を焼く、此れほどの厄介者は居ない。 夏雨をこれ幸いともう所かまわず図々しくも顔を出す。 初めての試みで地下茎の深さを調べようと三角鍬を振り下ろせば意外と浅い。 地表すれすれのところに居るはいるは思い外図太くまるでゴボウそっくりで長さ1メート以上の大物も捕獲する。 性質は然程強靭ではなく手で引っこ抜くことも適う。 恐るべき怪物に魂消るばかり瞬く間に退治はしたが此れとて氷山の一角に過ぎなかろう。 縦横無尽に張り巡らされた地下に潜伏せし魔物を根絶するは最早不可能に近い。 単なる気休めに過ぎなかろうがこんな日が続くのかと思えばほどほど気が滅入る。