老いのひとこと

剣道のお面に挑んだ。

縮尺何分の一か全く不明、兎に角厚紙を適当に組み合わせ簡単なミニチュアセットを作った。

従って寸法も当てずっぽで好い加減過ぎよう。

元々ぞんざいな性分ゆえ辛気臭い細かい作業はえらく往生してしもうた。

腰がやめるし手が震えおるし目がしょぼついて霞んで見えるようでは悲しいかなおのれの限界を知らされた。

取り分け面がね作りに難儀した。

14本仕立てには参らずお子様向きの12本で降参した。

おまけに均一な細き紐を作った筈だが見事なるバラバラ行列ではないか。

いやいや寧ろ手捻り感が味わい深く満更でもなさそうだ。

ただ惜しむらくは面布団が寸足らずで物足りない、安定感を著しく欠くではないか。

突き垂と用心垂は用心深くドべで接合した筈だ、落ちないで欲しい。

 

残念だが面紐まで施す余裕はなかったが此の作品は我が技量の集大成と云っても好かろう。

苦労多かりしがいと楽しけり。