白蟻に蝕まれたスノコと角材からは白き物体がウヨウヨと這い出す。
目にするだけで流石精神衛生上宜しくない。
兎も角、家から隔離しようと道路を隔てた川縁のガードレールの陰に一先ず退避させた。
処がふとした不注意でスノコ一枚を川底へ落としてしまう。
弱りに祟り目と云おうかまさに泣きっ面に蜂ではないか。
固定したロープを垂らし川上の
緊急用鉄製梯子より河原に降り
滑る石に足元を掬われないよう
現場に移動しロープでしっかり結わいで一応スノコ救出劇は終了した。
その翌日は日曜日ではあったが下見に参られた駆除業者さんに角材を切断して貰いスノコは解体し紐で束ね火曜の朝所定の場所へ持ち込んだ。
でも回収業者はイエローカードと共に放置していかれたではないか。
此の無情さ薄情さに義憤を剥き出しにして家内と共に静々と目立たぬしぐさでそっと家へ持ち帰ったのでした。
市指定の回収ゴミ袋を用いない裸の素材は幾ら70センチ以下に切断しても違法投棄だと云う。
規定は規定、定めに従うしかありませんと家内は云う。
ソクラテスのあの有名な言葉が横切ったが些細な事で無駄な抵抗は見苦しかろうとおのれを戒めるしかなかった。
何から何まで悉く付いてない付き運から突き放された仰天劇でした。