老いのひとこと

週に一度の日曜稽古、歳を忘れ汗を流す。

厭わず道場の床を踏む。

分け隔てなく受け容れて呉れる若き剣士と老練なる高段者に感謝の気持ち忘れずに手を抜くことなく身一杯の胆力で掛かりゆく。

一息の切り返しを心掛けるがままならず息を継ぐ。

遮二無二、でっかく振り被り左拳は正中線上を忘れず元に立てばやはり左は正中線を死守し強烈なる左右面を手の内利かせてど真ん中で打ち返すのだ、誠意を示さねばならぬのだ。

正面打ちでは只ひたすら右足攻め込み打ちに頑なに拘る、死ぬるまで永遠の我が課題だ。

元に立てば猛者連たちの氷の刃が我が脳天を直撃するまで微動だにしない鉄則を守り切る。

炸裂と同時に身を躱さねば我が体は紛れもなく吹っ飛ぶだろう。

遅からず早やからずの絶妙のタイミングが要求される。

誰しも手加減なしに真剣に突進するのを齢87が咄嗟に体を開かねばならない。

此れだけでも大した鍛錬になる。

瞬時の反応能力を諸に体得する絶好の機会を頂戴いたすのです。

とても有り難い事なのです。

感謝いたし居る次第なのです。