老いのひとこと

家内の妹えいこは臓器を患い療養の身、お見舞いを致さねばならぬとサンダーバードに飛び乗る。

何年振りの県外脱出と相成ろうことか6時45分から9時22分まで凡そ2時間半電車に揺られつづけその間ただ線路の老朽化を気にし通した。

決して快適なる旅ではあろう筈がない、自他ともにあれこれ不安材料を両手いっぱいに抱え込んだ上での旅でもあろう。

新大阪で久宝寺行きに乗り換え淡路で下車し強か歩くことは十分覚悟の上とは言え流石が顎が出る。

幸いしげじろう氏の道案内を得て大いに助かった。

此の一帯の都市再開発が急ピッチ進み新しい道路が交差し高層ビルが建ち並んだ。

 

懇ろにお見舞い致さねばなるまいがコロナとインフレンザに配慮いたさねばウイルス拡散に要注意だのだ。

午後1時には大阪の息子家族が合流したが密閉された部屋での長居は禁物と2時には早々にお暇してしまった。

 

孫たちも味気なく深々とマスクを被り頷くだけの応対であった。

治癒したとはいえ彼女たち家族全員がコ

ロナ罹患者だったので殊の外気遣わねばならなかったらしい。

 

大阪万博には必ずや再会いたしましょう、それまでは御達者で居てくださいと何度も何度も念を押してえいこの家を後にした。

 

 

家内は来月にもまた見舞わねばならないと盛んに口にする。