老いのひとこと

我が家には珍しくゴージャスな鰹のお刺身だ。

通常、我が家の夕餉の主役は鯛か鰤かのアラで塩焼きか煮付けが定番でむしろわたしがそれらを所望いたすのが常なのである。

家内は偶には気を利かせて鰈や鱈の乾物が振る舞われるが昨晩は例外中の例外で鰹の叩きが食膳を賑わらせたのです。

丁度其処へ長兄の嫁さんから魚を捌いて欲しいとの電話が入る。

みれば何んと驚く勿れ見事なる鮪の切り身ではないか。

生板から食み出んばかりの大きさに度肝を抜かれる。

家内は上手に皮を剥ぎ赤身ながらも其の半分を戴いてしまった。

 

どうも孫娘のフィアンセの実家からの届け物らしいが大変なものを戴いてしまった。

ツキがツキを呼び込んだ。

カツオがマグロを呼び込んだことになる。

赤身だろうが何であろうが中トロ級の脂が乗って魚のカマ族には一生ものの贅沢品に当分在り付けそうだ。

孫娘のお蔭だ、結構なことではないか。

有り難いことではないか。