老いのひとこと

            無断掲載

我が家に入る新聞の社説は憲法記念日に際し「専守防衛は死んだのか」を掲げて論説する。

未だ死んではいないが瀕死の状態であるという。

やがては終焉の日が近いかも知れないとの危惧の念を滲ませつつも不断の努力で此れをば阻止いたさねばならないとある。

専守防衛の鉄則を守る誓いを今新たに為す責務を負うと同時に今に生きる者どもたちの使命なのだと結論付ける。

此の新聞には社会の公器としての自負心も良心も良識も確かに息づいている。

 

ところが今や政界の改憲布陣は自公に維国が加担し気色立ち気炎を挙げおる。

最高学府に学ぶ学徒たちまでもが挙って此の九条改悪に組する亜流に属するご時勢を迎え平和国家日本の落日の時が愈々現実味を帯びる。

 

此れを阻止する頼りの立憲民主は指導体制が不安定で今にも内部崩壊の兆し顕著にしてお先が暗い。 

共産勢力も指導部の独裁体制に嫌気が差し党勢を失った。

其れを好機と改憲勢力は一気に攻勢に出よう、為すすべなく傍観いたすのみか、解散総選挙が不気味な足音を立てて近寄って来る。

 

如何にも悲観的ムードが漂う今年の五月三日の記念日を淋しく見送るしかなかった。