老いのひとこと

患者への薬の処方は医師の専権事項に違いがない。

医師が野放図に処方することは有り得ない筈にも拘らず何時の間にか当方には無闇矢鱈と薬が累積し莫大な量に膨らんだ。

馬に喰わすわけにもいかず、かと言って放棄するには余りにも馬鹿げる。

庶民生活の中に道理に合わぬことがのうのうと罷り通る実例ではないか。

実損を被るのは物言わぬ貧民であり利するは医師・薬屋並びに大手製薬会社そのものではないか。

斯くも理不尽なことが白昼に堂々と通用する日本国の実像にもうげんなりだ。

憤りを込めて医師に訴える腹積もりが医師の前に出れば青菜に塩で巧く言葉が出ない。

医師と患者の力関係上下関係には流石に如何ともし難い。

 

でも医師は当方の要求をすんなり受け入れては呉れたが御身の非を口することはなかった。