老いのひとこと

術後三日目の検診に行く、視力検査を施される。

レンズを取り換え取り換え何度も試みるがよく見えない、以前と何ら変わりはない、むしろ悪くはなってはいまいか。

本当は今回の視力を看護師さんに問い質しかったのだがどうしても聞けなかった、怖かったのだ現況を憂いたのだ。

遂先日は青・黄・赤色の鮮やかな原色に子どものようにはしゃいで喜んだのに本日は落胆の悲哀を味わされた。

暫し間を置いて医師の診察を受けた折にも視力回復の度合いには何ら触れられなかったし左目の充血にも一切忠告はなかった。

お若き医師から直接「一喜一憂する勿れ」の指摘はなかったもののカルテの一端に「0.7」の文字を微かに見出し安堵したのです。

僅かながらも改善したことを知った。

帰り際に医師に向かい「望みを繋いでよろしいでしょうか」と声を掛けたが医師からは「その通りだ」との同意はなかったももの希望を捨てずに「三種の神器」の薬効を信じつつ点眼に励む以外道はなさそうだ。