下手糞老いぼれ剣士の独り言

昨日の出来事でした。
両者しばし剣先の攻防、彼我双方のいずれかがす―うっと攻め入りし瞬間、他方も乗るがごとくに鋭く攻め込めども既に勝負は決していた。
スーうっと攻め込まれるのを見てしまったのか、すうっと攻め入る動きを予見しつつ同時に相面へ持っていったのかによって勝負は決まったのだろう。
一方の側の若干の気後れが懸念された。無意識的に三所隠し(ひっかぶりめん)的防禦姿勢を看破されてしまった。勝負はそこで決まった。
しかし、見応えはあった。
双方の安定した姿勢、横一線の重心移動から繰り出す双方の激しき打突は間違いなく振り抜かれていた。
打突の瞬間、竹刀は十二分に撓っていた。
残心とて完璧だった。
中学生の彼女たちですら、こんなに素晴らしい剣道が成立するのかととても感心した。
感動をいただいた。
此の模範試合を注視した後輩たちは素晴らしき相面打突の場面を脳裏に瞼の裏に間違いなく焼き付けたことだろう。おのずと拍手で見届けたのでした。