老いぼれへぼ教師の回想記《21》下

 あの愚かしくも浅ましい出来事から半世紀が過ぎた。
なにらお咎めもなく社会的制裁を科されることもなかったかのように歳月は流れた。
 確かにあの時は、公的権力による収監こそなされることはなかったが我が胸中に
得体知れぬ空洞が生じ、いつの間にか己自身が造った檻の中に自らが篭もってしまっていた。
 我が身に降りかかる諸諸なる因果な出来事は皆皆その応酬なりと観念し甘受せざるを得なかった。
 
 ところが311大災害を契機にして日本国中が再起を期して立ち上がった。
愚かにして浅ましき此の老いぼれとて軌を一にして立ち上がらざるを得なかった。
全てを曝露し大方のご批判を仰いだ次第だ。