老いぼれへぼ剣士の独り言《下》

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       竹刀が撓る(2)
 
それより先に打突と同時に審判の旗が上がっていた。
激しく動く試合の流れの中で当然なる決着点を審判員は指し示したことになる。
 日本一を決するほどの大試合なら、演ずる選手はもとより裁く審判員も超一流の実力者に違いない。
 然すれば、成行き上当たり前の帰着点として打突と同時に間髪を入れない旗の表示があって何の不思議があろう。
 一連の流れの中で、有効打突の諸条件を満たしているとの暗黙の了解があって、言わずもがなことなのでしょう。
処が偏屈者のわたしの目には、少しばかり納得がいきかねたのです。
決して、見苦しい引き上げとまでは行かないまでも、十分なる残心姿勢を大観衆に見せる前に勝負に決着をつけてしまったことが腑に落ちなかった。
インターネットで斯くなる動画を公開する余り幼き小学生はもとより中高生、一般の剣士にまでが、これ見よがしに真似をする。
それを見て盗り、模倣している。見取り稽古といえばそれまでなのだが・・・
いや、幼き剣士たちがネットから学んだのではなくむしろその指導者に起因している面が大きいのかもしれない。
一時、例の三所隠し(ひっかぶり面)が燎原の火の如くあまねく全国津々浦々にまで流布したのもつい昨日のように思えるのです。
危惧すべき大問題と見るが大方の皆さんはいかがなものでしょうか。
 
【上に掲げる二枚のスナップ写真は文中の場面とは全く関係はありません】