老いぼれへぼ教師の回想記《55》

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 わたしは正規のルートを踏まずに、非正規採用されし不届き者に違いない。
いうならば、競争試験を免除され選考試験のみでパスし、採用候補者名簿に名前が登載されたことに相成る。
武藤校長より、内川中講師に任命する辞令を恭しく拝命した。
 
その五 挑戦し試練挫折の河北台(3)
 
士族の商法=その3
 
  昭和三十四年四月一日付けで 金沢市 立内川中学校講師に臨時採用する旨の辞令を時の校長武藤清三先生より手渡された。
次いで同年十月一日付けの辞令にて教諭に任ぜられた次第だ。
 しかし、この間の経緯について私は他言を慎んだ。
誰にも口外しなかったのだが、およそ半世紀を経た今此処に始めて吐露することを決意した。
改めて、何もかも一切合財を曝け出すことが本稿の最大の趣旨なのだから当然であろう。
ましてや、311を期してその思いを新たにした。
 
 なんと言っても正規の採用試験ではなかったことは正直いって後ろめたさは大いにある。
いや、実に負い目に思っていたのは事実で、従ってこのスタート時点で私は自分のゴール地点を見通さざるを得なかったといえるのである。