老いぼれへぼ教師の回想記《59》

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 ニートやフリーターがこの世に横行し始めて久しい。
 でも、少なくてもわたしの世代にはまだなかった。
 わたしには、この人たちを論評する資格はどこにもない。
 他でもない、わたしはその旬の走りと成り得る存在そのものなのである。
 二度と再来する事のない青春の一時期を、可惜 ( あたら )棒に振ってしまったような感を強める愚者なのかもしれない。
 これも、うらなりの記なのです。
 
 
その五 挑戦と試練挫折の河北台(7)
 
士族の商法=その7 
 
 実を申せば、京都での四年間の学生生活において、まったく理由にならない理由として普通高校から来た者にとっての珠算とか簿記・会計学はまったくの無縁な存在で大変な抵抗感を覚えたことを鮮明に思い出さざるを得ない。
 きみはなんと馬鹿げたことをぬかしおるかとそっぽを向かれようぞ。
 つまるところ、学業に対する明確なる目標や目途もなくただただ漠然とした面持ちで学生生活に単純に憧れていたのだと扱き下ろされても仕様がないのである。
一途な向学心も将来を展望した人生指針とて皆無に等しく、ただひたすら生まれ育ちし金沢の地から脱出することのみに意を注いだ。 
意を固めて飛躍を決意したのではなかった。
ただ、朦朧とした状態のままにである。