老いぼれへぼ剣士の夕雲考《60》

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剣を遣う剣技としての刀法ならば形とか組太刀が仕組まれ代々修錬の積み重ねが可能ではあるが、こと心法で剣を遣うとすればその秘伝奥義を口伝または伝書にして代々継承されねばならない。
修錬の中味次第では重大な齟齬を来し、必ずしも正確に伝承され得ない危惧が生じよう。
無住心剣にも、此のちょっとした盲点を突かれた嫌いがある。
 
『夕雲流剣術書』ーはじめに(15)
 
小出切一雲のこと=その7
 
此の針谷夕雲神格化論に異論をぶちまけられたのが、外でもない甲野善紀氏に違いがない。
『相抜け』を批判的に捉え、取るに足らない愚策に過ぎないと氏独特の畳み掛ける独自の論法で多大なる資料を駆使しつつ、それを根拠に無住心剣を素手で叩きのめされたのだ。