老いぼれへぼ教師の回想記《63》

 
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明治村の旧四校無声堂
 
 着任早々の四月天皇誕生日にあたる祝日に旧城内キャンバスの金大剣道場へ高鳴る胸中を極力抑えながらエントリーメンバーをものものしく引率したことを今以って覚えている。
 金大旗争奪戦に参戦する栄誉を、今以って忘れはしない。
 選手諸君以上に監督自身が上気していたことも今以って忘れてはいない。
 雄々しく戦い華と散った。
 
 
その五 挑戦と試練挫折の河北台(11)  
 
新化館道場(1) 
 
 
 宇ノ気中学は当時既に県下では敵なしの存在で全国的にもその名は聞こえていた。
 従って当然のこととして片割れ的輩が在籍していた。
部長に松原均君がいた。弐段の腕前で非常に素晴らしいセンスの持ち主であった。
稽古は全て取り仕切らせた。後輩への面倒見もよく、指導方針に説得力を持っていた。
彼は剣の道に生き甲斐を託している様子がよく分かった。
目が輝いていた。面金越しの眼光は鋭く威圧的だ。
歯を剥き出しにして闘う気を露わにする姿は実に凄かった。