老いぼれへぼ教師の回想記《72》

 
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内定を知ってからは、予備知識を得るべくテスト前の一夜漬け勉強のようにがむしゃらにむさぼった。
当時は、インターネットとは程遠き時代だった。
せっせと、活字を読みあさった。
天が与えし試練として甘受したはずだった。
わが拙き人生に充実の一時を給わりしことを感謝す。
 
 
その五 挑戦と試練挫折の河北台(20)
 
 
企業派遣研修(4)
 
 正味丸一週間にトヨタ自動車東海銀行ノリタケカンパニーリミテット、新日本製鉄名古屋製鉄所、サントリー木曽川プラントの五つの巨大企業を張り詰めた心の琴線に触れるが如き緊張感で粛粛と見て回った。
 日本を代表すると言うよりも世界に冠たる地位を占める有力企業を正に目の前にして身引き締め襟を正した。
全身をひきつらせ剛直した面立ちで武者震いをしたのである。
血眼で貪欲に酌まなく隅から隅まで舐めるように観察した。
 目にするもの全てに驚異と感動と羨望の情意を感電したかのように痛烈にしかも強烈にわが胸中に突き刺さってきたのだった。