老いぼれへぼ剣士の形稽古《6》

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日本剣道形稽古心得覚書
 
実技上の心得
 
太刀の部1本目=その1
 一本目での留意事項は、まず打太刀は左上段で間合いに進み右足を大きく前へ踏み出しながら、仕太刀の柄諸共脳天に斬り込み臍まで切り裂かねばならない。
空間打突では話にならない。仕太刀の正面に届くように打つというより、正面へ切り付けねばならないのである。
直心影流4代目小笠原源信斎が説いた『八寸の延金』にはいろいろな解釈があるが、その中の一つに刀身を八寸くらい縮めて用いるのだという富永半次郎先生説がある。
即ち、実際に真剣を用いた場合切っ先3寸の“物の打ち”で斬ったつもりでも中々打突部位には届かないものらしい。
それで、昔の人は“鍔元で斬れ”と教えたのだという。
気持ちの上では、刀は鍔元八寸くらいで斬らねば斬れたものではないということになる。