うらなりの記《90》

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母への想いー(5)
 
『母の思い出』
 
  どうもこの女性の方が炊事を先に済ませる暗黙の了解があったらしい。
この推察は実はわたくしは、どうにもならない空腹感に責め苛まれよくよく台所に下りて辺りを物色したことから知りえた。わたしは彼女が炊事を済ませたころを見計らいゴミ箱の中を漁り始めていたのだ。
空腹を満たすには十分とはいえないまでも、わたしは貪欲にむさぼった。野良猫同然に成り下がってしまった。