雑草園顛末記《2》

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② 草むしりとアマガエル
 キンタが健在だった頃は、アマガエルたちが水辺へ遊びに来ていた。
 孫たちも一緒になってよく遊んだ。
恐る恐る手にしていた孫も馴れるに従い誇らしげにスキンシップするようすをみなに見せびらかしていた。
 ところが孫たちがいなくなると同じようにアマガエルたちも姿を消した。
 ここ最近は (とみ)に著しい。
 田んぼにはその姿どころか鳴き声すらない。
 トノサマガエルもアオガエルもどこにもいなくなってしまった。
 ところが草むしりの最中 () (つくば)るわたしの目の前に枯れかけたイヌツゲの小枝に抱きつくようにしがみ付く一匹を発見したではないか。
 前世の遺物のような面相 (めんそう)で素っ頓狂 (とんきょう)目の玉をしている。
 とても (いと)おしい気になった
 突然安眠を妨げ相済まない気になった。
 常日頃、雑草を放置した怠慢を気に懸け負い目に感入っていたのだが、そうでもない。
 カエルの環境保全に寄与していたではないか。
 これはまんざらでもない事ではないか。
 ところが、そこら辺を探したがつがいの連れ添いも仲間たちも見つからなかった。