老いぼれへぼ教師の回想記《91》

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企業見学レポート=その11
 
5 サントリー木曽川プラント(2)
 
 元祖鳥井信次郎氏仕込みの、「やってみなはれ」精神が脈々と迸っていたのです。
 もはや、ここまで来れば経営機能も管理機能も出るべき場面がないのである。
 すべからく、平等に作業職能を果たすのみとなるのである。 
 ここでも、見事にJ・K活動が開花していることとなる。
 省エネ、省力化と徹底的に無駄を排除した。
 
 その極端なる一例がモデルケースとなった宮島プラントより報告されているのです。
 即ち、そこにおいては会議そのものを無駄なのだと断定し会議室をば休憩室に衣替えしてしまったという偽らざる事実がすべてを物語っている。
 個々の従業員が自身の能力を120%発揮し働き甲斐を手中にし、そして経営効率を超人的に高めることになる。
 両手に花なのである。サントリーが世に問うた「全社員セールスマン作戦」そのものなのです。
 酒屋という酒屋、問屋筋、バーやスナックに至る夜の巷にまで、深夜の11時12時も厭わず足まめに売り込んだ。
 苦情も聞いた。
 しかし、其処から得難き情報を抜かりなく探り出し、つぎの市場戦略作戦に位置付けられて行くのである。
 此れは決して、あの単純なる根性論的モーレツ主義とは異なるものだ。
 極めて、異質だし次元を異にする不思議さを宿すのである。
 西洋的な合理主義では解決できない東洋的な何物かを感触としてわたしは感じ取った訳なのだが大方の見方からすれば如何なものだろうか。