老いぼれへぼ剣士の夕雲考《90》

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夕雲流剣術書      小出切一雲 誌(16)
 
夕雲の師匠小笠原源信
 
➈-4 【歸朝の後上泉傳の古き相弟子共に立合ひ、八寸の延がねを試るに、一人も手に障るものなく、恐らくは先師上泉が存生にて立向ふと云とも上泉に勝は取せまじ物をと思ふ程の道理を發明して、廣く世間に教ふ、玄信が弟子も三千人に及べり、】
口語訳
 
帰朝の後、秀綱門下の古き仲間たちに立ち合わせ、八寸の延金を試みてみれば、誰一人として手に負えないようすで、恐らくは先師上泉が存命していて立ち向かったにしても上泉に勝利は覚束なかったであろうと思われるほどの実に先進的な技を発案して広く世間へ教えを流布しながら弟子三千人を囲い、源信斎の名を不動のものとしていったのでした。