雑草園顛末記《5》

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                    伸び放題のあばら屋
 
⑤ 生垣剪定
 カイズカイブキの徒長枝が見事に伸び放題のままだ。
 美観を損ねてご近所にもさぞかし迷惑を掛けてはいまいか。
 三余年越しに放置した怠慢の結果だ。
 先日、老骨に鞭打って剪定作業に重い腰を上げてみた。
 大層して電動器をセットし、おっかなびっくり脚立の上に身を置きスッチオンしたがモートルが空回りするだけで歯が動こうとはしない。
 急遽、マキタ営業所へ持ち込み修理の依頼と相成る。
 三年越しの放置の怠慢は歯の部分が錆びて癒着 (ゆちゃく)する症状を来たし修理は不能との診断であった。
 スペアの義歯を取り寄せてもらう事と相成った。
 皮肉にも、わたしの口中の義歯も目下取り寄せ中なのです。
 併せて、その折車の降り際ドアが風に (あお)られ隣の車のボデーを強打した。
 凹みはないが若干塗装に変色を来たしてしまった。
 何食わぬ顔でその場を立ち去ろうとも思ったのだがわたしは敢えて正直に申告した。
 マキタ金沢営業所の所長さんは直々に検証に立ち会い、一笑に付して事を荒立てる素振りは微塵たりも示されなかった。
 軽微で些細な事ゆえ気にしないでほしいと相当の大人物らしい。
 今時珍しい、実に立派な寛容の気の持ち主であった。
 その御仁は雲を衝く大男であられた。
“大男総身に知恵が回りかね”はとんでもない。
 臨機の即断即決は実に見上げたものがあった。
 
“捨てる神あらば拾う神あり”
それを、実感した一日でした。
 剪定鋏の (こな)し方が上達した一日でもあった。