老いぼれの弓事始め《6》

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弓事始め
 
膕のこと
入門ではなく門の前に立つだけのものが恐れ多くも”膕”について語る資格はまだない。
剣道でも、膕についてよく言われたものだ。
膕を伸ばせ、曲がってるぞ。
膕がたるんどるぞ、もっと張れ!
よく罵声をもらったものだ。
先達からよく言われたことは構えた足でぴょんぴょん飛び跳ねてみろ、その時の、膕の張り具合だ。
張り過ぎてもいけない、弛めてもいけない。
その頃加減を覚えろ体得しろとよく注意されたものだ。
ところが、その張り具合でやると弓道では通用しない。
弓道では、忙しなく動く必要はさらさらない。
どっしりと足踏みをなし、ぶれることなく安定した姿勢こそ求められるのであって、この安定度を倍加させる為にも、とにかく膕は張れるだけ張らねばならない。
突っ張って突っ張り抜く。
 
居合に至っては、居合腰が要求され若干膕は弛められ重心がより低くなるので、三者三様それぞれ趣きが異なるのである。
まさに、この郷に入ったのだからこの郷の教えに従わねばなるまい。