老いぼれの台湾行《8》

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                     正面の孫文
 
その8=台北故宮と北京の故宮
 
 遺憾ながら、わたしには大中国の過去の偉大なる文物を鑑賞し評価する素養はないに等しい。
 はっきり言って、チンプンかんぷん分からないと言っていい。
 数年前に訪問した北京の故宮と比較して何が異なるかと云っても、正直のところよくわからない。
 説明によれば、紫禁城そのものと紫禁城に模して戦後立てられたものとの違いは理解できるが、実際中に身を置けば全然わからぬと云ってよい。
 また、展示物の逸品実物は圧倒的に台北の方に軍配が上がるのだといっても、わたし如き明き盲には如何ともし難いのである。
 至高なる名品絶品を眼前にして、その作品が時代空間を超越して発散するテレパシーを肌で実感する以外手がない。
 その電磁波のようなものを嗅ぎ取るには、場内が余りにも騒然として戴けなかった。
“白菜“を見んがため、幾重にも取り巻く行列の渦にはビックリしたし閉口もした。
 痺れる足に鞭打って、家内共々人出の少ない静かな展示室を彷徨うようにして渡り歩きました。
 それほどに広大なる敷地を囲っていたことになる。
 一生懸命に目を皿にして、我らが日本国の文物の発祥の地、母なる母国の数多の作品に畏敬の念を以って接し何かを吸収せんと只々 (もが)のみでありました