老いのひとこと

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あの火柱に魅せられて敢えて初詣でを左義長の日まで日延べさせたと云ってもよい。

白山詣ではよいが二度足を踏む手はなかろう。

白山さんを目指し鶴来街道をゆけば何んと金釼宮を過ぎた辺りから様子が可笑しいと思いきや案の定昆虫館の手前から長蛇の渋滞に巻き込まれ動きが取れないではないか。

ミゾレ混じりの悪天候にも拘らず要領の良きチャッカリ組たちは皆がっくりとベソを掻く。

家内が制止するのを振り切ってわたしは其の場をUターンしていた。

左折道路を下って旧道を走り間もなく北口通用門より境内へチャッカリ入場したのです。

幾ら齢を重ねても此の品なきチャッカリ根性は治らないのです。

 

降りしきる氷雨の中煌々と火柱が燃え盛りまさに霙をも融かす勢いだ。

小山のように聳え立つしめ飾りやお札書初めの類は真っ赤な火の玉になって燃え盛る。時折巨大な門松用の孟宗竹の断末魔の叫びが炸裂音となり後高山に木魂する。

火柱を取り巻く善男善女の心をも振るわす。

此処には不完全燃焼はない。

此の世の常、各種各様の不完全燃焼の火種が燻ぶり息苦しい限りではあるが少なくとも此の左義長の火柱には完全燃焼しかしない。

とことん燃え尽き灰燼に帰すまでめらめらと燃えつづけろ。

見飽きることなく呆然と佇む。

 

何かを催促する家内からのシグナルを微かに感知した。