老いぼれの形稽古《14》

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太刀の部5本目=その1
 
五本目では、云うまでもなく打太刀は打ち間まで入り、右足を踏み込みながら仕太刀の正面を顎まで切る心づもりで斬りにゆく。
仕太刀は、剣先を打太刀左拳に付けて間合いに進み、刃が若干左下に向いた状態のまま体を退き表鎬(左鎬)にて的確に打太刀の太刀を摺り上げて、透かさず前へ踏み込んで打太刀の正面に行く。
ところが此処では通り一遍の所作ではなく、攻防の理合いが必要ではないでしょうか。
つまり、間合いに入った仕太刀は打太刀の小手への攻めの気勢を示す。
打太刀は、その攻めの気勢の先を取って鋭く正面を打つ。
仕太刀は、それを予め読んで摺り上げ面を繰り出す理合いと相成る。
この目に見えぬ一瞬の攻防の動きを的確に表現しなくてはならない。
剣舞を舞うのではない。