老いぼれの弓事始め《10》

イメージ 1
 
 
弓事始め
⑧ 6月5日
 第11回目の講習日、わたしには9回目となる。
 道場での入退場のマナーである。
 まさに礼法である。
 小笠原流礼法そのものでしょう。
 弓は左進右退なりと己にしかと言い聞かせ、摺り足の励行を怠らないように初心に返る。
 講師の山本先生からは摺り足と云う表現はなかった。
 能舞台の役者の足捌きに従えと、此処は古流の武術に相通じることを知った。
 L字形に右折には、左足前へ踏み出し次いで右足先導で指先を90度右方向へ旋回させて右折が完了する。
 此の際注意すべきは、90度方向転換させた右足の位置は左足の踵の手前にいるのだと言われた。
 左折には左足先導で執り行うことになる。
 当初は奇異に感じたが馴れれば何とかこなせそうな気もする。
 とは言うものの、座射に至るその流儀の奥ゆかしさと複雑怪奇な仕草を会得するには相当の日数を要することだと観念した次第です。
 併せて、更に身体の動作と息合いを合致させねばならない。
 なかなかの至難の技のようだ。先は遙か彼方でまったく見通せなくなってしまったようだ。
 歩み足に、送り足と足捌き体捌きに夢中に取り組んだ昨日のことをつい思い出し苦笑せざるを得なかった。
 タカハシさん、また継ぎ足になってますよ・・・
 武道館でのI先生からの温かい叱責が後ろから聞こえて来るではないか。