老いぼれの中国紀行《7》

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中国紀行
 
⑦ 観光立国を自負するお国柄からして、この際の尖閣国有化に伴う悶着は痛かろう。
当てにしていた国慶節観光客が挙ってキャンセルしてしまったという。
片や、小松~上海便の週5便の増便案は来春までお預けとなったのだという。
更には富山~北京に至っては当分欠航とのこと、只ならぬ事態です。
もっとも、あの御国には、おっかなくて寄り付きかねる次第ではあるのですが・・・
何とも切なく、ショムナイ話しではありませんか。
数年前の訪中の際には、未だ国力の差が歴然としていた。
万札の匂いを嗅ぎ付けた中国民衆に取り囲まれた。彼らは慾の皮の権化のように映った。
 日本人観光客の周囲を執拗に取り巻き、哀願し懇願しつつ絶叫するその凄まじき生き様を目の当たりにしたときタイムスリップし敗戦直後の 日本の往時を彷彿させた。

 桂林で観光船にて舟下りの折、上流より流れ来るように見掛ける筏が一艘手漕ぎの櫓を操りながら接近してくるやに見受けた矢先、船首を我らが乗る大型観光船に目掛けて突進させ激突させる。
して己の命綱をデッキの金具へ瞬時にして結わえる。
まさに正真正銘の命懸けの勝負技、戦場さながらの殺気立った彼らの形相がすべてを物語る。
映画の場面を思いだすほどのリアリスチックな迫力に魂消たのである。
 おのが身を自立させ自活し、家族を養育し、地域社会が存立し続け生命力を維持してゆくには見栄や外聞、民族の誇りをもかなぐり捨ててひたすら生きていこうという強い願望と欲望とが我々の目にありありと伝わった。
 土産の品々をわれ等に売り付けるべく哀願したその表情が痛々しく映った。
 この場面が余りにも衝撃的であったのでシャッターチャンスを逃している。残念至極。
 
2010年の尖閣での漁船衝突事件の予行演習もどき現象を目の当たりにしたことになる。